こんにちは、介護事業所を運営される皆さま。日々の業務で職員さんの安全を第一に考えながらも、思いがけない事故やケガにハラハラする場面は少なくありませんよね。この記事では「労災保険」の基本から、介護事業者だからこそ知っておきたいリスク管理のポイントなどを発信できればと存じます
1|知っておきたい!労災保険のキホン
「そもそも労災保険って何?」と聞かれると、つい難しく考えがちですが、要は事業所で働くスタッフさんが主に業務中や通勤中にケガなどをしたときに、医療費や休業補償を国がカバーしてくれる仕組みです。
- 加入義務:正社員もパートも関係なく、従業員を1人でも雇えば自動的に適用されます。
- 主な給付:
- 医療費の全額支給(療養補償給付)
- 休業中の所得補償(休業補償給付)
- 後遺障害が残った際の補償(障害補償給付)
「高齢者の移乗介助で腰を痛めた…」「送迎中に小さな転倒事故が起きた…」といった日常的なトラブルこそ、まずは公的給付の仕組みを押さえておくと安心です。
2|公的カバーだけじゃ不安?+αの備え方
ただ、労災保険には**“ここまでしか補償しません”**という上限や認定基準があります。たとえば…
- 入院や後遺症が長引き、療養費以外にリハビリ費用や介護用品代がかさむ
- 労災が認定されるまでに時間がかかり、立替負担が重くなる
- 万が一、労災認定をめぐり争いが起きた場合の弁護士費用 など
こうしたケースに備えたいときは、民間の任意上乗せ補償を検討する方法もあります。公的労災の足りない部分をフォローし、職員さんの安心度をさらに高めるイメージですね。
3|介護事業者が取り組む3つのリスクマネジメント
- データで“見える化”
過去のヒヤリハットや事故履歴を整理し、「どこで」「誰が」「何をしているときに」問題が起きやすいかを分析。これが改善の第一歩です。 - 教育と環境づくり
- 腰痛予防のストレッチや移乗介助の研修を定期的に実施
- 送迎ドライバー向けに安全運転マニュアルを整備
現場力を底上げすることで、そもそものリスクを減らしましょう。
- 保険の定期見直し
一度加入したら終わりではなく、人数増減や業務内容の変化に合わせて、労災保険の補償範囲や任意補償の内容を定期的にチェック。保険料と補償のバランスを最適化しましょう。
おわりに&ひと工夫ポイント
介護の仕事は、ときに想像を超える場面が起きるもの。だからこそ、未然に備える仕組みづくりが大切です。まずは社内データの整理からスタートし、必要に応じて補償の「+α」を検討してみてください。
ワンポイント!
「ヒヤリハットノート」を用意し、ちょっとした“ヒヤリ”も書き留める習慣をつけると、改善策がグッと具体的になります。
※この記事は労災保険制度の仕組みやリスク管理の考え方を中立的に解説したもので、保険商品の勧誘や提案を目的としたものではありませんのでご留意をお願い致します
※免責事項
本記事は執筆時点の一般的な情報提供を目的としており、具体的な状況や制度変更により内容が異なる場合があります。万が一誤りや不備があった場合でも、当社(川崎保険センター)は一切の責任を負いかねますので、最終的な判断や詳細は必ず各行政機関および専門家へご確認ください。