川崎市・横浜市の飲食店オーナー様の中には、アルバイトスタッフが勤務中にケガをした場合にどのような補償が関係するのか、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。本記事では、「労災保険」と「使用者賠償責任保険」に関する基本的な仕組みや違いについて、情報提供の観点からわかりやすくご紹介します。


■ 労災保険とは?(政府が運営する公的保険)

労働者(正社員・パート・アルバイト含む)が業務中や通勤途中にケガや病気をした際に、国(労働基準監督署)から給付される公的制度です。

ポイント:

  • 加入は法律で義務付けられており、すべての雇用主が対象
  • 業務中のケガ、通勤途中の事故などが対象
  • 治療費、休業補償、障害補償などが支給されます

※飲食店での包丁によるけが、火傷、転倒事故などが典型例です。

注意点: 労災保険に未加入だった場合、事業主に対して治療費や給付費用が「費用徴収」として請求されることがあります。また、労働基準監督署からの是正指導や、悪質な場合は罰則の対象となることもあります。


■ 使用者賠償責任保険とは?(任意で加入する民間保険)

労災保険では補いきれない、企業の法的責任による損害賠償リスクに対応するための任意保険制度です。例えば、労災事故後に「安全配慮義務違反」などを問われた場合に関係してくる制度です。

想定されるケース:

  • 労災事故後、店舗側の過失が問われて損害賠償請求される
  • 慰謝料や訴訟費用などの費用が発生する可能性がある

このような状況に備えて、こうした制度についても知っておくことが重要です。


■ 両者の違いを整理すると…

項目労災保険使用者賠償責任保険
加入義務法律で義務任意(保険会社と契約)
補償対象従業員の治療費・休業補償など慰謝料・弁護士費用・和解金などの可能性
費用負担雇用主が保険料を負担契約内容により異なる
カバーできる範囲基本的な補償法的責任による損害賠償対応の可能性

■ 注意しておきたいこと

  • 「うちはアルバイトだけだから大丈夫」として、労災保険への対応が不十分になっているケース
  • 「保険に入っている」と思っていたが、実際には使用者賠償責任保険に加入していなかったケース
  • 労災未加入が判明した場合、治療費や給付分が事業主に請求されることもあり、金額が大きくなるケースもあります

実際に事故が発生してからでは対応が難しくなるため、日頃から制度や契約状況についての理解を深め、必要に応じて確認・見直しを行うことが大切です。


■ 川崎・横浜エリアの飲食店様へ

店舗での労災やケガのリスクは避けられませんが、制度や補償内容を正しく理解して備えることで、従業員を守るとともに経営へのリスクも抑えることができます。

「うちの場合はどうだろう?」と不安に感じる方は、まずは制度の概要や補償の種類について調べるところから始めてみてください。必要に応じて、専門家や関係機関に相談することもおすすめです。

※免責事項
本記事は執筆時点の一般的な情報提供を目的としており、具体的な状況や制度変更により内容が異なる場合があります。万が一誤りや不備があった場合でも、当社(川崎保険センター)は一切の責任を負いかねますので、最終的な判断や詳細は必ず各行政機関および専門家へご確認ください。

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