企業が業務中や通勤時に社用車や自転車を使う機会が増える中、飲酒運転に対する企業の管理体制がこれまで以上に問われています。とくに近年は、「自転車での飲酒運転」も違法であることが明確化され、企業責任も厳しく追及される可能性があります。
この記事では、自転車の飲酒運転リスクに焦点をあて、企業がとるべき対策・体制づくりについて、神奈川県(横浜市・川崎市)の取り組みとともにわかりやすく解説します。
自転車の飲酒運転も法的に処罰対象に!【道路交通法改正】
2024年11月に改正された道路交通法により、自転車による酒気帯び・酒酔い運転も以下の刑罰対象になりました。
「3年以下の懲役 または 50万円以下の罰金」
これにより、たとえ自転車であっても、酒気を帯びた状態での運転は明確な違法行為となり、企業が関与するケースでは使用者責任や安全配慮義務違反が問われる可能性もあります。
改正道交法11月に施行 自転車の危険運転に罰則 スマホ通話、酒気帯びなど | 川崎区・幸区 | タウンニュース
また、酒類を提供した店舗や同乗者への罰則が科される場合もあり、企業は「業務時間外」や「私用利用」の場面でも注意が求められます。
【企業リスク】こんな場面にご注意を
1. 通勤・業務中の自転車利用
従業員が業務や通勤で自転車を使う場合、明文化された運転ルールの整備が不可欠です。
例:
- 「勤務中・勤務前の飲酒後は運転禁止」
- 「前夜飲酒後、一定時間は運転不可」など
2. 飲食後の移動
仕事終わりの懇親会などで飲酒後に自転車を利用するケースも少なくありません。飲酒される参加者には事前に自転車の禁止の周知などが有効です
3. イベント・営業活動時の移動
飲食を伴う営業先訪問・イベント終了後の移動でも、自転車使用禁止ルールを社内規定に含めることで企業リスクを下げられます。
企業がとるべき対応策|5つのステップ
対応項目 | 実施内容例 |
---|---|
①社内規定の整備 | 「飲酒後の自転車運転禁止」「飲酒後○時間以内運転不可」などを規則に明記 |
②安全講習の実施 | 道交法改正内容や飲酒運転のリスクを含めた教育 |
③出発前チェック体制 | アルコール検知器・体調確認を出発前に実施 |
④記録管理の導入 | 運行・飲酒有無チェック表への記入や違反者への再教育制度 |
⑤通勤・業務中の交通手段把握 | 自転車利用者の把握とルール徹底 |
神奈川県(横浜市・川崎市)の支援体制・相談窓口
【1】法令に関する相談
神奈川県警察(交通相談窓口)
TEL:045-211-1212(代表)
受付時間:平日 8:30~17:15
【2】企業向けの交通安全教育支援
横浜市地区交通安全協会連合会
横浜市西区岡野2丁目15番20号(横浜警察署内)
TEL:045-311-0110
川崎市交通安全協会
川崎市川崎区宮本町8(川崎警察署内)
TEL:044-222-0110
法人・団体向けの安全運転講習、自転車利用時のルール指導も対応。
【3】自転車の安全利用に関する行政支援
横浜市 道路局 交通安全・自転車対策課
TEL:045-671-2715
川崎市 建設緑政局 自転車政策室
TEL:044-200-2735
両市とも、企業や学校向けの講習会や資料提供に対応しています。
まとめ|「自転車でも飲酒運転は違法」という認識を社内に
近年の法改正により、自転車であっても飲酒運転は明確に処罰対象です。企業にとっては通勤災害や業務中の事故リスクだけでなく、使用者責任による損害賠償の可能性も。
横浜市・川崎市の支援制度や相談窓口を活用しながら、企業としての安全管理体制を強化していきましょう。小さな対策が、大きな事故の抑止につながります。
※免責事項
本記事は執筆時点の一般的な情報提供を目的としており、保険商品の勧誘を目的とするものではありません。具体的な状況や制度変更により内容が異なる場合があります。万が一誤りや不備があった場合でも、当社(川崎保険センター)は一切の責任を負いかねますので、最終的な判断や詳細は必ず各行政機関および専門家へご確認ください。