川崎・横浜の法人が考えたい建物・設備・休業リスクへの備え

日本は地震の多い国です。

住宅の地震対策については関心を持たれる方が多い一方で、会社や事業所の地震対策については、

「火災保険に入っているから大丈夫ではないか」

「建物が倒壊しなければ何とかなるのではないか」

と考えられているケースもあります。

しかし、法人にとっての地震リスクは、建物の損害だけではありません。

設備や什器が壊れる、商品や在庫が使えなくなる、営業が止まる、売上が減少する、従業員の給与や家賃などの固定費だけが残る。

このように、地震は企業経営そのものに大きな影響を与える可能性があります。

今回は、川崎市・横浜市を中心とした法人様向けに、企業の地震対策で確認しておきたいポイントを整理します。


地震による損害は「建物」だけではありません

地震と聞くと、まず建物の倒壊や損傷をイメージされる方が多いと思います。

もちろん、建物への被害は大きな問題です。

しかし、企業の場合はそれだけではありません。

例えば、

・事務所の内装や設備が破損する
・工場の機械設備が使えなくなる
・店舗の什器や厨房設備が壊れる
・倉庫内の商品や在庫が破損する
・水道、電気、ガスなどのライフラインが止まる
・仕入れや配送が止まる
・従業員が出勤できなくなる

といったことが考えられます。

建物自体が大きく壊れていなくても、設備や在庫が使えなければ、営業再開が難しくなることがあります。

法人の地震対策では、

「建物が壊れるかどうか」

だけではなく、

「事業を継続できるかどうか」

という視点が重要です。


川崎市・横浜市の法人が確認したい地域リスク

川崎市・横浜市は、首都圏の中でも多くの企業が集まる地域です。

事務所、店舗、工場、倉庫、介護施設、建設業の資材置場など、さまざまな事業拠点があります。

一方で、同じ市内でも所在地によって災害リスクは異なります。

例えば、

・強い揺れによる建物や設備の損傷
・液状化による地盤沈下
・沿岸部や低地での津波、浸水リスク
・多摩川、鶴見川など河川周辺の浸水リスク
・道路、港湾、物流網への影響
・停電や断水による営業停止

などが考えられます。

特に、川崎区、幸区、横浜市鶴見区、神奈川区、中区、金沢区など、湾岸部・河川周辺・工業地域・物流拠点が多い地域では、建物だけでなく、設備、在庫、物流、休業への影響も含めて考える必要があります。

ただし、

「川崎だから危ない」

「横浜だから安全」

という単純な話ではありません。

重要なのは、自社の事業所がどこにあり、その場所でどのような災害リスクが想定されているかを確認することです。


ハザードマップを確認しましょう

地震対策を考える際には、まず自社の所在地をハザードマップで確認することが大切です。

川崎市・横浜市では、地震、液状化、津波、洪水、高潮などに関する情報が公開されています。

川崎市

川崎市防災ポータルサイト
https://portal.kikikanri.city.kawasaki.jp/hazardmap/hazardmap.html

川崎市 防災マップ・ハザードマップ
https://www.city.kawasaki.jp/bousai/category/292-1-3-0-0-0-0-0-0-0.html

川崎市 液状化危険度分布
https://www.city.kawasaki.jp/601/page/0000046739.html

横浜市

横浜市 わいわい防災マップ
https://www.city.yokohama.lg.jp/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/map/20240903.html

横浜市 液状化マップ
https://www.city.yokohama.lg.jp/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/map/ekijioka/ekijouka-map.html

横浜市 浸水ハザードマップ
https://www.city.yokohama.lg.jp/bousai-kyukyu-bohan/bousai-saigai/map/shinsui/

ハザードマップを見る際には、

・強い揺れが想定される地域か
・液状化の可能性があるか
・津波や浸水のリスクがあるか
・避難場所や避難経路はどこか
・従業員や来訪者をどこへ誘導するか
・設備や在庫の配置を見直す必要があるか

を確認しておくとよいでしょう。


火災保険だけでは地震リスクに対応できない場合があります

事業用の火災保険に加入している企業は多いと思います。

しかし、一般的に火災保険の基本補償だけでは、地震・噴火・津波による損害が対象外となるケースがあります。

また、住宅向けの地震保険は、居住用建物や家財を対象とする制度です。

店舗、事務所、工場、倉庫などの事業用建物や、営業用の設備什器、商品、在庫などは、住宅向けの地震保険とは別に考える必要があります。

「火災保険に入っている」

ということと、

「地震による事業用建物や設備什器の損害に備えられている」

ということは、必ずしも同じではありません。


地震で会社が止まると、固定費が問題になります

地震によって営業が止まった場合、売上は減少します。

一方で、支出はすぐには止まりません。

例えば、

・従業員の給与
・事務所や店舗の家賃
・リース料
・借入金の返済
・社会保険料
・仕入先や外注先への支払い

などは、営業が止まっている間も発生する可能性があります。

地震対策では、

「壊れたものを直す費用」

だけでなく、

「会社を止めないための資金」

「止まった後に再開するための資金」

も考えておく必要があります。


法人向けの地震補償が選択肢となる場合もあります

近年では、法人向けに、地震による建物や設備什器などの損害、または休業損失に備える補償が選択肢となる場合もあります。

例えば、

・事業用建物の地震損害
・設備什器や機械設備の損害
・営業停止による休業損失
・営業再開に必要な追加費用

などを検討するケースがあります。

当社でも、法人向けの地震補償について確認・ご相談を承ることがあります。

ただし、法人向けの地震補償は、すべての企業が必ず契約できるものではありません。

建物の構造、築年数、所在地、用途、過去の事故状況、契約内容などによって、取り扱いが異なる場合があります。

特に、築年数の古い木造建物や一部の鉄骨造建物などでは、希望する補償を準備できない可能性もあります。

そのため、

「法人でも必ず地震補償を用意できる」

「希望すれば必ず加入できる」

と考えるのではなく、まずは現在の建物・設備・契約内容を確認することが大切です。


保険以外の地震対策も重要です

保険は、地震リスクへの備えの一つです。

しかし、保険だけですべてのリスクを解決できるわけではありません。

企業としては、保険以外の対策も合わせて考える必要があります。

例えば、

・建物の耐震診断
・必要に応じた耐震補強
・棚や什器、機械設備の固定
・重要設備や在庫の配置見直し
・製造拠点や仕入先の分散
・一定量の在庫確保
・非常用発電機や蓄電池の準備
・通信手段の複数化
・データのバックアップ
・金融機関との事前相談
・BCPの整備

などです。

また、屋根に太陽光パネルを設置している場合、条件が整えば停電時の補助電源として活用できる場合があります。

ただし、太陽光発電は天候や時間帯に左右されます。

停電時に使用するには、自立運転機能、蓄電池、非常用コンセントの有無なども確認が必要です。

そのため、

「太陽光パネルがあるから停電対策は万全」

と考えるのではなく、非常用発電機、蓄電池、ポータブル電源、燃料確保などと合わせて検討することが大切です。


地震対策は「起きる前」に確認するもの

地震は、いつ発生するか分かりません。

発生してから対策を考えても、選択肢が限られてしまうことがあります。

建物や設備が壊れてからでは、復旧費用の見通しが立たない。

営業が止まってからでは、資金繰りの準備が間に合わない。

取引先対応が必要になってからでは、代替手段を確保できない。

そのため、地震対策は、

「地震が起きたらどうするか」

ではなく、

「地震が起きても会社を続けるために、今何を準備しておくか」

という視点で考える必要があります。


まとめ

企業の地震対策は、火災保険だけで十分とは限りません。

地震によって発生するリスクは、

・建物の損害
・設備什器や機械の損害
・商品や在庫の被害
・営業停止による売上減少
・休業中も発生する固定費
・停電や断水
・物流や仕入れの停止
・取引先や従業員への対応

など、非常に幅広いものです。

法人向けの地震補償が選択肢となる場合もありますが、建物の構造、築年数、所在地、用途、契約内容などによって取り扱いは異なります。

また、保険は地震リスク対策の一つであり、すべてを解決するものではありません。

耐震補強、拠点分散、在庫確保、停電対策、資金繰り、BCP、金融機関との関係づくりなどを含めて、総合的に備えることが重要です。

会社を守るためには、地震が起きてからではなく、平時のうちに自社のリスクを確認しておくことが大切ではないでしょうか。


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